連載エッセイ [自然感察者のひとりごと] ④ リンゴの実』は、物心ついてから食べた事がない。

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【私は生まれてこの方リンゴの実を食べた事がない】


2011.12.4、急遽、自然感察研修会の講師の代理を頼まれ新潟へ。
相手は保育園の先生40名ほど。
前日の依頼だったので挨拶後の話を考える暇もないまま早朝の新幹線に乗った。
午後の野外研修は、毎度の事なもで何の心配もない。
しかし、相手が保育園の先生たちである。
代理であるから最初が肝心。あっと驚くような話でこちらのペースに引き込もと考えながら座席に座った。落ち着かないと良い考えは浮ばないと思いながら、シートの背袋のトランヴェールという雑誌に手を伸ばす。表紙に美味しそうなリンゴの写真が、決まった。
挨拶後にした話。

「私は食べ物の好き嫌いはほとんありません。しかし『リンゴの実』は、物心ついてから食べた事がありません。」
と言ったら、とても驚かれた。
ざわめきが収まったところで
「私は変わり者でしょうか、皆さんは食ますか?」 
全員が手を挙げる。
「もしかしたら皆さんの方が変わり者かも知れませんよ。」
さりげなく「リンゴの実」と言ったので、皆さんは「リンゴを食べた事がない」と早とちりしたのであろう。
実(果実)=真果とは、子房が変化したできたものであ。
花托など子房以外が肥大したものを偽果と呼ぶ。
リンゴの食べる部分は、植物学的には「偽果」という。
「じつは、リンゴの果実=真果は食べないで捨てる芯の部分です。」
午後からの野外研修も上手く行ったのは言うまでもない事である。
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by hitakijo | 2015-12-20 08:51 | エッセイ | Comments(0)
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