連載エッセイ [自然感察者のひとりごと] ⑥ コブシ・トベラ

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コブシ

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トベラ


【和名が学名になった植物】


 かなり昔のことではっきりした年月は覚えていないが、絵を描きながらふとテレビに目をやると、
女性アナウンサーが「丹頂鶴」を学名「タンチョウ」と言って紹介していた。
これは学名ではなく「標準和名」である。
その後もテレビで標準和名を学名と言うアナウンサーを何度か見たことがある。
テレビは新聞と違って録画しておかなければ後に残らない。それだけに正確な放送をして欲しいと思った。
電話してやろうかと思ったが忙しかったのでしなかった。
 生物には、一つの種に多くの異なる名があったり、複数の種が同じ名で呼ばれたり、
地方によって異なっていたりする。これでは学問上はおろか、日常の会話においても通じないことが起きる。
そこで、方言を標準語にしたように、生物名を統一したものが標準和名である。これは日本全国で通用する。
しかし、他国の人には通用しない場合がある。これでは学問上、研究者にとってははなはだ不便である。
そこで考えだされたのが学名である。
 学名というのは全世界共通の名前であるから、日本語ではなくラテン語で表記されている。
現在、生物の学名はリンネが体系化した二名法が採用されている。
 手元に図鑑があったら開いてください。
カタカナの標準和名の後にアルファベットで書かれたているものが学名である。
最初の語句が属名、次の語句が種小名である。この小種名に和名が採用された日本固有種の植物がある。「コブシ」である。
漢字では「辛夷」と書く学名はMagnolia kobus(コブシ)
固有種ではないが「トベラ=扉」の小種名にも和名が採用されているPittosporum tobira(トビラ)
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by hitakijo | 2016-01-26 20:07 | エッセイ | Comments(0)
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