田舎に住んでいた小学生の頃、お小遣いにもらった5円玉を ある葉っぱで磨いたらピカピカになった。 また、この葉は咬むと酸っぱい味がした。 これらの事は今でもはっきりと覚えている。 大人になり、あのときの葉はカタバミという名前である事を知った。 シュウ酸を多く含んでいる事も分った。 あの時、5円玉がピカピカになったのは、酸の力によるものだったのである。 酸が含まれているであるから酸っぱかったのも当然である。 葉の形も、とてもユニークで、1本の茎に3枚の葉がついているように見えるが、 ハート形のものは小葉(しょうよう)といい、小葉が3枚合わさった「三出複葉」と呼ばれる、 れっきとした1枚の葉だった。 茎に見えたのは茎ではなく葉柄(ようへい)だったのである。 これらの事を知ったのは20代後半、この頃から野草が好きになった。 そして、1985年に「感察」という造語を思いつき、『自然感察会』を各地でやるようになった。 ある感察会で、カタバミを指差すと、 初参加の中年女性が「その雑草、取ってっても取っても生えてきて困んのよね」 確かにカタバミはアスファルトの割れ目などでも生育する生命力の強い野草である。 そこですかさず「皆さん、蝶は好きですか」 すると先ほどの女性が「蝶は好きさ、色はきれーだし、第1悪さしないもん」 『ところで、ヤマトシジミという蝶を知ってますか』 後方から「先生、ここにいます」と男性の声。 全員でヤマトシジミを感察しながら『実は、この蝶の幼虫時代の食べ物は、先ほど雑草と呼ばれたカタバミです』『どう頑張っても我々にはカタバミのまねは出来ません』 例の女性「先生、もー雑草っ呼ばねー、草取りすっときゃ半分残すわ !」 ほかの参加者全員も大きくうなづいていた。
by hitakijo
| 2015-03-21 22:10
| エッセイ
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『自然感察』は 1985年11月11日に私が創作したオリジナルの造語です。 思いついた経緯はブログ開設の記事(2006.7.6)に書いてあります。 ☆もう一つのブログ☆ 自然感察*Nature*feei. *リンクフリーです。 当ブログの画像・文章等の著作権はすべて山本正臣に帰属します。 許可なく無断転載・複製、配布することはできません カテゴリ
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