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連載エッセイ [自然感察者のひとりごと] ⑩ 【思い出が、またひとつ増えた】 ハコベ 

連載エッセイ [自然感察者のひとりごと] ⑩  【思い出が、またひとつ増えた】 ハコベ _a0083553_1204159.jpg


【思い出が、またひとつ増えた】ハコベ


①半世紀以上昔のことである。小学六年生の頃メジロを飼った事がある。現在では、許可なく野鳥を飼う事は出来ない。
 鳥もちをつけた竹竿を藪椿の花の側へ置いておく。
蜜を吸いに来たところで鳥もちにかかるのである。
飼育する竹籠も自分で作った。餌は「ハコベ」と「サツマイモ」である。
蒸かしてもらったサツマイモをすり鉢で繊維がなくなるまですりつぶす。
そこへ洗ったハコベを入れ、さらにすりこぎを回し続ける。
するときれいな黄緑色のペースト状の練り餌が出来上がる。
 これを毎日与えるのである。もちろん、その日その日に新しいハコべを摘んできた。
なぜか名前を知っていた、これがハコベとの初出会いである。

②1994年3月12日 練馬区石神井児童館の子供達数十名と「春の道草を食べよう」という講座で、
埼玉県の吾妻峡へ行った。
私の解説を聞きながら植物感察、その中から食べられる野草の採集と洗う作業は子供達の役目。
調理は児童館の職員の方達が担当。
いろいろな野草は天ぷらに、春の七草のひとつハコベはおひたしにし、マヨネーズで食べる事に。
 野菜嫌いと言われている子供達だったが、自分たちで採った事が嬉しかったのか、
みんな、驚くほど食べまくった。ハコベは特に評判が良かった

③昨年入院した。十日間は寝たきりだったが、体につけられている全てのチューブが取れたので歩き始める。廊下を何往復も歩いた。次の日もあるいた。
しかし、窓がないので外の空気が吸いたくなった。
屋上に行けるか尋ねると、屋上はないが1階の玄関へ行けば外の空気が吸えると。
早速1階へ下り玄関のドアの前に立つ。自動ドアが開く、冷気が鼻をくすぐる、思わず深呼吸。
前方に黄葉した銀杏の街路樹があった。無意識に銀杏の側へ飛び出していた。
「ハコベ」があった。一茎採って持ち帰り、
切り口にテッシュペーパーを巻き、水で湿し、ベッド脇の棚に飾った。
このハコベは退院時に家に持ち帰ってきた。
by hitakijo | 2016-04-02 12:05 | エッセイ | Comments(0)
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